ATHLETE INTERVIEW

自分にワクワクする今

プロフィール
奥原 希望選手
バトミントン女子シングルス
日本代表

長野県大町市出身

戦歴

2011 全日本総合優勝 (16歳8ヶ月史上最年少)
2015 スーパーシリーズファイナル優勝(日本女子シングルス初)
2016 リオデジャネイロオリンピック 銅メダル(日本勢初)
2016 全英オープン優勝 (日本勢39年ぶり)
2017 世界選手権優勝(日本人初)
2019 日本人初のプロ選手となる
2019 世界ランキング1位
2021 東京オリンピック出場

奥原 希望選手 イメージ01

度重なる怪我を経験し、すべての人が人生に希望を持って良いのだと思える今の自分でまた闘いたい

真木:もうご紹介する必要がないくらいの実績を残してこられた奥原さんですが、現在の目標ってありますか?
奥原:そうですね。。東京オリンピックは無観客での試合で、やはり応援して下さる方々に大きな恩返しをできていない感じがあって。。今は怪我から回復してきてツアーにも参戦できる状況になっているので、2026年に名古屋で行われるアジア大会(開催されれば日本では32年ぶり)に出場して、日本のファンの方々の前で思いっきりプレーする姿をお見せしたいですね。
真木:奥原さんといえば、日本バトミントンのシングルスにオリンピックメダルをもたらした先駆者ですが、その後の競技生活において、どのようなことを経験してこられましたか?
奥原:リオデジャネイロのオリンピック(銅メダル)が終わった後、ずっと東京オリンピックまでは、「オリンピックの金メダル獲得の方程式を解きたい」と考えて競技に取り組んでいました。世界選手権で優勝して、世界ランキングも1位まで上がり、まさに突っ走っていました。しかし、東京オリンピックでは準々決勝で敗退し、一つの「答え合わせ」が終わった、と感じました。その後、東京からパリに向けての闘いを続けていく中で、様々な葛藤と向き合いながら過ごす日々に、正解を求めれば求めるほど答えから遠のいて、心も体もぼろぼろになっていくような感覚というんでしょうか。。パリオリンピックへの闘いも、自分のすべてをぶつけて取り組んで、結果届きませんでしたが、その過程の中で、大切なことに気づいてきたように思います。
真木:とても興味深いお話ですね。それはどんなことなのでしょうか。。
奥原:今に集中すること、先を観ずに、今できることを一歩一歩重ねることを大切に出来るようになりました。また、昔は、自分の気持ちの強さですべてを乗り越えていける、と感じていたのですが、パリへの闘いを続ける中で、ファンの皆さんや、周囲でサポートしてくれる方々の力がなければ、本当にあそこまで闘えなかったなって心から思ったので、その辺りが大きな気付きだったと思います。
真木:なんか、それってすごいですね。。厚みを感じる。
奥原:そうですか?でも本当に、私のファンは皆さん温かい方が多くて、どんなときでもポジティブに声掛けをしてくれて、試合に負けたり、うまくいかない時、本当に背中を支えてくれる大きな存在です。
真木:私ものんちゃんのファンの方の声は時々触れていますが、本当にあったかいですね。
奥原:これは私の財産だと思います(^^)
奥原 希望選手 イメージ02
真木:2021年、東京オリンピックが終わって、パリへの過程、そして今。その時々で多くの心境の変化、成長を感じていると思うけど、今、どんな思いでコートに立っていますか?
奥原:そうですね。先程も言ったように、東京オリンピックで答えを探して競技に取り組みましたが、それが途中から本心なのかどうかわからない、なんというか、「自分を型にはめ込んでいたな」ということに最近気づきました。日々を善くしていく事というより、結果を求めて「こうあるべき」という枠に自分をはめ込んで窮屈になっていたような。。それこそ、長い戦いの中で、膝の半月板を痛めたり、肉離れや疲労骨折をしたり怪我に苦しんで、特に膝の痛みは日常生活を脅かすほどだったので、とにかく痛みなく寝られることが幸せ!って感じる瞬間があります。これは、自分の体と向き合うことで得られてきた「改善」だと思います。そうすると、どんな物事でもコツコツ、今ある目の前の課題にとりくんで日々を善くしていくことが人を幸せにしていくんだ、と思えるようになって。今、バトミントンをすることがとても楽しくて、過去最高の自分で取り組めているように思います。これからの闘いで、どんな自分に出会えるのかとてもワクワクしています。そんなワクワクが皆さんに伝わってくれたらいいな、と思ってやっています。
真木:なるほど。どんな人でも、大きな目標が持てていなくても、目の前のことを大切に一歩一歩改善に向けて進んでいく。それができれば人生100点じゃないかと。笑
奥原:そこまで言えるかわかりませんけど、誰でも、楽しく、善くなることを積み重ねいくことは出来るんじゃないかと。そうすれば、ワクワクする自分に出会えて、みんなハッピーじゃないでしょうか(^^)
真木:なんか、すごいですね。。競技の話から離れちゃいましたけど、競技を通して自分と向き合う中で、大変大きな気づきを得てこられたんですね。尊敬します(^^)
奥原:バドミントンに出会えて、私は好きでやってこられて、たくさん苦しい思いもしてきたけど、その分沢山の恩恵を得てこられました。本当にありがたいなぁ、と思います。
真木:Re-Viveへ来られたきっかけは、膝の痛みで苦しんでいるときに、高市未来さん(柔道女子63kg級 リオ・東京・パリ3大会出場)に聞いて来られたんでしたよね?
奥原:はい。未来ちゃんも膝の大怪我をしてて、そこからの復帰試合で優勝して、まさに復活した、って思ったんですけど、私も「復活」できるアプローチが必要だと感じていたので、連絡してどうやって復活したのか聞いたら、真木さんを紹介してもらえました。
真木:未来は本当に復活して頑張りましたね。。のんちゃんも膝の具合はどうですか?
奥原:2022年の11月からお世話になっていますが、今では本当に痛みを感じることがほとんどなくなっていて、日常生活で痛みを感じることがない幸せを噛み締めています。笑
真木:それは良かった。ここからまた勝負が始まる感じですね?
奥原:はい、過去最高の自分で、目の前の挑戦を一つ一つ積み上げていきたいと思います。
真木:本当に素晴らしいと思います。それでは、次の舞台に向けて、最善の準備を積み重ねましょう!
奥原:はい!!ありがとうございました!!
このインタビューは2025年2月に行われたものです
奥原 希望選手 イメージ03